2014冬号 「村上海賊の娘(上・下巻)」 和田竜著 新潮社刊

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 時は天正4年(1576年)、大坂本願寺に兵糧を運び込もうとする因島・能島・来鳥の三島村上水軍と毛利水軍の連合軍対真鍋水軍の海戦を描いた物語である。

 古来、軍船に女を乗せてはならんという不文律がある。理由は女を守ろうとして兵が奮戦し、結果として兵の損揚が大きくなる。それを避ける為に軍船には女を乗せないという掟が成立した。その掟を破ることを鬼子という。
 本書は三鳥村上水軍の最大勢力である能島村上水軍の姫である景が、掟を無視して軍船に乗り込み第一次木津川海戦で兵糧を運び込む物語である。
 当時の村上水軍の実像が詳細に描かれており、面白くて一気に読了した。

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