No.10 2008夏号 花嫁の父一歩手前とうとう彼氏の両親が我が家に来た。遠路からの訪問に労をねぎらい、好天気と良き日に喜びを伝え、自己紹介をかわきりに本題へと入った。まず仲人は立てない、結納、結婚式は質素に行う、日取りは近日中に決める事でお互い納得し了解をした。
 何となく緊張しつつも親同士、団魂の世代、昔の話に尽きる事なく花が咲き、楽しい一時を過ごす事が出来た。
 私にとって娘の彼氏は只の男であったけれど幼少の頃から今日までの成長を聞くと両親にしてみれば大切に育てた息子である事が良く分った。子供を持つどの親も、子宝であるに違いない。緑あって義理の息子となるからには大切にしてやらねばなるまいと思った。私には長男がいるが、長男とは同じ扱いにするには、かなり遠慮がちになりそうだが、頑固オヤジとしてそこは割り切って厳しく当りたいと思っている。
私自身かなり寛容な人間だと思ってはいるが、微曖(みじん)もそういう所は見せないつもりでいる、(酒が入っている時は別として)
今の所、彼氏に文句の付け所は見あたらないが、しいて言えば少し酒でも飲める人問であってほしい。土産は何もいらないが、洒の一本でもぶら下げて来る位の配慮がほしいものである。娘にとっては子供の頃から酒飲みのオヤジを兄て育ったので、せめて夫となる人はと避けたのかもしれないが、オヤジと合う話題は酒の話しかない事を肝に銘じてもらいたい。
 数日後、あれよあれよと言ううちに結納と結婚式の日取りが決まり、残念ながらとんとん拍子に事が進んで行った。もっとも父親としての出番はほとんどなく、妻と子供達で進めて来た事なので頑固オヤジとしてロをはさむ余地は無かったのである。後はモーニングを着せられバージンロードを行進するお役目があるのみである。もうここまでくれば、矢でも鉄砲でももってこい。朝から酒でも飲んで待っててやるわい!

追伸
 2008年春号でご紹介した知人のお父さんは神仏への願いも叶わず、ご家族の温かい介護の元、静かにあの世へ旅立たれました。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。